短編小説(無駄に長いよ)

いつからここにいるだろう。
なぜ、ここにいるのだろう。
何もない。ただ真っ白な
4畳ほどの部屋の中に私は居た。


頭がひどく痛む。
なぜ痛むのだ。
ゆっくりと思い出してみる。
そうだ。コンビニから出た途端、
何者かに思い切り殴られたのだ。
それで拉致されてここへ・・・?
しかし何のために?
金銭?
しかし、私はお世辞にも裕福と言えるような生活を送っていない。
会社での地位も係長だ。
金銭が目的の線は薄い。
ではなんだ。怨恨か?
誰かに恨まれるようなこと。
心当たりがない。
しかし、逆恨みということもあるが。
それにしても、この状況はなんだ。
まったくもって目的がわからない。
監禁することになにの意味があるのだろう。


そんな部屋の中の様子を、モニタ越しに見つめる者がいた。
なんのことだかまだ飲み込めていないようだな。
まぁいい。いずれじわりじわりと思い出させて、後悔させてやる。
そう忘れもしない。あれは小学校3年の6月だ。
絶対に許さない。


一通り部屋の中を調べ終わり、男はこの部屋からの
脱出は不可能なことを悟ったばかりだった。
まさか、出入り口が天井にあるドアだけだとはな。
それ以外は白い壁しかない。
天井まではゆうに4メートルはある。
たとえ届いたとしても、ドアを開くためには
上方向に押さねばならない。
「まいったな。」
落胆の声とともに男はその場にしゃがみこんだ。
そして、届くはずもない天井のドアを眺めていた。
不意に男は、ドアの左下に小さな文字が書かれていること発見した。
遠くてよく見えない。
近眼がこんなときにも祟るとは。
最近特に視力が低下した男は悪態をつく。
目を凝らし、何とか読んでみる。
アージ・・・?
ん?
最初はマか。
意味があるとは到底思えない。
だが、それ以外に情報があるわけでもない。
わずかな希望にもすがりつく思いで男は文字を読む。
マージンFXのひまわり証券さん、ニンテンドーDS Lite欲しい!
まるで意味がわからなかった。
手がかりを失い、男はまたその場にしゃがみこむしかなかった。